健康に良いと言われるオリーブオイル、いざ購入しようとしても選び方がよくわかりませんよね。
この記事ではこれからオリーブオイルを買おうと思っている人に向けて、選び方のポイントや購入後の保存方法について解説します。
目次
オリーブオイルとは?
オリーブオイルとは「オリーブの果実から絞られた油」です。
オリーブは地中海地方が原産で、果実から絞った油を現地で使い始めたといわれています。
海外の食文化が日本に入ってきて浸透し、現在では日本でも一般的な油の一種となりました。
一般的な油類は植物の種から絞られた油ですが、オリーブオイルはオリーブの果実そのものを絞ります。その後、油分を分離させてオリーブオイルの完成です。
イメージ的にはオリーブ果実のフレッシュジュースのようなものです。上質なバージンオリーブオイルはそのまま飲めるほどサラッとしているのも特徴です。
みなさんがイメージするオリーブの色は何色ですか?オリーブは成熟するにつれて色が変わり、収穫の時期によって果実に含まれるオイル量が変わります。
(オイル量が少ない)緑<紫<黒(オイル量が多い)
また、産地や栽培方法、収穫時期などによって風味などに違いがでることもオリーブオイルの特長です。
オリーブオイルの選び方
使用用途から選ぶ
オリーブオイルを購入したらどのように使いたいと思っていますか?サラダにかけたり、アヒージョにしたり使用用途は様々。
購入後にどのような食べ方をしたいかでオリーブオイルの選び方は変わります。
エキストラバージンオリーブオイル | ピュアオリーブオイル | |
酸度 | 0.8%以下 | 1.0%以下 |
製法 | オリーブの果実を絞ってろ過している | 精製オリーブオイルとバージンオリーブオイルを混ぜている |
風味 | 豊かな風味 | マイルドな風味 |
価格 | 少し値が張る | お手頃 |
使用用途 | 生食向き | 加熱向き |
オリーブオイルにはグレードがあり、最もよいオリーブオイルとされるのがエキストラバージンオリーブオイルです。
「酸度」という項目が基準となり、0.8%以下の新鮮なオリーブオイルのみ名乗ることができます。
オリーブの果実を絞り、ろ過して抽出されるエキストラバージンオリーブオイルはオリーブの風味が豊かで、生食に適しています。
一方でピュアオリーブオイルは精製オリーブオイルとバージンオリーブオイルを混ぜて作られています。
エキストラバージンオリーブオイルに比べて風味は弱まるもののマイルドで食べやすいのが特長です。
生食:エキストラバージンオリーブオイル
加熱料理:ピュアオリーブオイル
生産地から選ぶ
オリーブの果実を絞って抽出するオリーブオイルは、土壌によって風味に違いがでます。
【オリーブオイル生産地TOP3簡単比較】
<味・風味>
スペイン | 香ばしい香り、さわやかな香り、風味豊かでまろやか |
イタリア | フルーティーな香り、フレッシュな香り、ピリッとくる辛味 |
ギリシャ | 芳醇な香り、ハーブやアロマに似た香り、さっぱり |
<適した料理>
スペイン | 味の濃い料理、サラダなど |
イタリア | パスタ、肉料理、豆料理など |
ギリシャ | サラダ、パン、和食など |
野菜にたっぷりかけたり、加熱調理の仕上げに少ない量で風味づけに使ったりもできます。
人気なオリーブオイルを使うだけではなく、色々な種類を試すのもおすすめです。
価格から選ぶ
エキストラバージンオリーブオイルはオリーブオイルの中でも最も質のよいオイルです。
安価なものは純粋なエキストラバージンオリーブオイルではなく、混ぜ物がしてある可能性が高くなります。
オリーブオイルにこの値段!?と思うこともあるかもしれませんが、価格は品質を見極めるひとつのポイントとして役立ちます。
選ぶ時の注意点
オリーブオイルは光に弱く、室内の蛍光灯の光でも酸化が進んでしまいます。
購入したオリーブオイルを開封後も美味しく食べるために、オリーブオイルの容器は遮光性がある濃い緑や青色のものを選ぶのがおすすめです。
実際に手にとって確認できる状況であれば、ボトル裏のラベルの酸度の数値も確認しましょう。
酸度の数値が低ければ低いほど鮮度が良いことを示しており、0.8%以下だとエキストラバージンオリーブオイルと認定されます。
オリーブオイルの栄養素
オレイン酸
オレイン酸は不飽和脂肪酸の一種で酸化しにくい性質を持ったオメガ9系の油です。
不飽和脂肪酸は魚や植物系の脂に含まれており、悪玉コレステロールを抑制します。また、オメガ9系の油は血管を健康に保つ効果もあります。
体内でも作ることはできるのですが、不足がちになるため食事による接種が勧められています。
ポリフェノール
ポリフェノールは植物が光合成によって生成する抗酸化物質です。ほとんど全ての植物に含まれていて、植物の色や苦みの元にもなっています。
ポリフェノールの持つ抗酸化作用は人間にも有用で、人間の体内で生成される「活性酸素」を取り除いてくれます。
活性酸素は体内の脂質を酸化させて過酸化脂質と呼ばれる物質に変えてしまいます。これにより免疫機能低下や老化、動脈硬化の原因にもなります。
クロロフィル
またの名を葉緑素といいます。理科の授業で聞いたことありますね。植物や藻類などに含まれる緑色の天然色素のことです。
葉緑素は植物の成分ですが、人間の血液の色素と似た構造をしています。
そのため、体内に摂取された葉緑素は血液中で鉄と結合し、赤血球や筋肉のヘモグロビンなどの色素に変わります。
また、食物を通して接種してしまう一部の有害物質を吸着して排出させる解毒作用も持っています。
血管内のコレステロールを吸着する働きもあるので、コレステロールを抑えて血液の流れをよくする働きもあります。
オリーブオイルの健康効果
オリーブオイルは健康に良いと言われています。
オリーブオイルに含まれているオレイン酸やポリフェノール、ビタミン類などの成分が高い健康効果に繋がるとされているからです。
抗酸化作用
普段の呼吸をする中で酸素の一部が変化して生まれる活性酸素は、体内の脂質を過酸化脂質に変化させて免疫機能の低下や老化を引き起こします。
また、細胞へのダメージや動脈硬化などの生活習慣病の原因になります。これらはストレスでも増えるといわれていますが、抗酸化作用があれば防いでくれます。
オレイン酸やポリフェノールに含まれる抗酸化作用は、活性酸素の攻撃を抑制してくれます。保湿成分も多いためシワの予防になり、美容効果にも期待できます。
生活習慣病の予防
悪玉コレステロールの増加や加齢により血管がもろくなったり、詰まったりすることがあります。そうなると動脈硬化、心筋梗塞などの生活習慣病になることも。
オリーブオイルに含まれるオレイン酸は悪玉コレステロールを抑制する効果があり、クロロフィルは血液の流れをよくする働きがあります。
血液がうまく循環しないと酸素や栄養素を体の隅々まで届けることが難しくなり、心臓に負担をかけてしまいます。
ダイエット効果
オリーブオイルに含まれるオレイン酸は脂質の代謝を活性化する作用があるため脂肪燃焼効果が期待できます。
他にも満腹中枢をしげきする効果があり、食べ過ぎることを防ぎ食欲を抑えることができます。
オレイン酸が脳の満腹中枢を刺激するまでには時間がかかるので、食事の約1時間前にオリーブオイルを摂取するのがおすすめです。
また、オリーブの香りの作用でセロトニンという脳内物質が分泌されます。セロトニンは精神を安定させる効果があり、ダイエット中の空腹感によるストレスを軽減します。
脳内の神経伝達物質のひとつで、精神を安定させる効果がある。(別名:幸せホルモン)
日光浴やリズミカルな運動によって活性化される特徴がある。人との触れ合いも効果的。
腸内環境の改善
オリーブオイルの主な成分であるオレイン酸には、腸内を刺激して蠕動運動を活発にして排便を促す働きがあります。
また、オリーブオイルには不溶性の食物繊維が含まれていて、便の硬さを調整する作用があります。そのため、腸内での便の通りが良くなって便秘が解消されやすくなります。
腸内環境の改善や免疫力の向上や、体脂肪を溜めにくい体づくりにも役立ちます。
オリーブオイルと美容
オリーブオイルは健康だけでなく美容にもいいと聞いたことはありませんか。
オリーブオイルの主成分であるオレイン酸は人の皮脂成分にも含まれており、人の肌の皮脂成分に似ていると言われています。
なので、オリーブオイルを塗った際に肌なじみが良くなるのです。肌に溶け込むようにサラッとしているのはこのためです。
保湿効果
オリーブオイルを肌に塗ることで皮膚の表面にうすい膜ができ、皮膚からの水分の蒸発を防ぎます。
肌のうるおいを逃さず、乾燥による肌荒れに効果を発揮します。唇や爪のケアにもおすすめです。
また、角質層に浸透して肌にうるおいを届けるので肌がやわらかくなります。やわらかく、しっとりするので乾燥による小じわ対策にもなります。
洗浄効果
オリーブオイルは油性の汚れを浮かせて取り除く効果があります。
肌に塗ることでメイクや毛穴に詰まった油汚れをしっかり落としてくれるのです。
全身に使える
オリーブオイルは肌だけに効果があるわけではありません。パサつく髪の毛や爪にも艶を与えることができます。
シャンプーを頭で泡立てたあとに、同量のオリーブオイルを混ぜて揉み込むように洗いましょう。
ドライヤー後の髪にハリが出て、うるおいを感じられるようになります。目安は週に1〜2買いです。
オリーブオイルに偽物があるって本当!?
基準の違いがあることを理解しよう
オリーブオイルに偽物があると言われるのは以下の理由が関係しています。
・日本と海外で定義が異なる
・表示内容のルールの問題
・他のオイルと混ぜて作られている
日本と海外で定義が異なる
エキストラバージンオリーブオイルの品質は日本基準と国際基準で異なります。
品質基準の厳しさは…
国際基準>>>日本基準
このように国際基準の方が厳しく、日本基準で作られたエキストラバージンオリーブオイルが偽物と呼ばれてしまうことがあります。
エキストラバージンオリーブオイルの基準比較一覧
国際基準 | 日本基準 | |
酸度 | 0.8%以下 | 決まりなし |
鑑定士のチェック | 鑑定士のテイスティングを行って認定する | 必要なし |
表示内容のルールの問題
知っているかたも多いかもしれませんが、日本の法律では「原産国=作った国」とはなりません。
例1)イタリア産のオリーブオイルを【イタリア】でボトル詰めして輸入
→原産国:イタリア
例2)チュニジア産のオリーブオイルを【イタリア】でボトル詰めして輸入
→原産国:イタリア
例3)イタリア産のオリーブオイルを輸入して【日本】でボトル詰め
→原産国:日本
つまり中身はさておき、最終的にどこでボトル詰めされて加工されたかということが重要になってきます。
他のオイルと混ぜて作られている
上でも書いたように原産国が日本のオリーブオイルでも中のオイルにどのようなものが使われているかはわかりません。
さらに日本では中身の内容をさかのぼるのも難しいので、途中で他のオイルとブレンドしている可能性もぬぐえません。
「注意!」やってはいけない保存方法
本物のエキストラバージンオリーブオイルを購入できるようになったら保存方法についても知っておくと便利です。
食べ物は日数が経つと劣化が進みますが、オリーブオイルも例外ではありません。おいしさを長持ちさせるために保存の時に気を付ける点を紹介します。
日があたる場所に置く
ボトル選びの時にも説明しましたが、エキストラバージンオリーブオイルに含まれる葉緑素の働きで光を浴びると光合成をして酸化が進みます。
オリーブオイルは酸化に強い油ではありますが、正しい保存方法をするに越したことはありません。
コンロの横に置く
エキストラバージンオリーブオイルは熱に弱いという特長も持っています。温度が上がることで酸化が進んでしまいます。
油といえばコンロの近くに置きがちです。しかし、新鮮なエキストラバージンオリーブオイルの場合は温かくなってしまう場所は避けましょう。
・コンロの横
・オーブンや電子レンジの隣
・直射日光の当たる場所など
常温保存が可能なオリーブオイルですが、暗く涼しい食材収納庫や引き出しの中で保管することがおすすめです。(温度目安:12~15℃)
冷蔵庫にいれる
暑い場所はダメ、部屋の光もダメ…。そうだ、冷蔵庫で保存しよう!と思った人はそこで止まってください。
涼しい場所の方がよいのは事実ですが、冷えすぎるのも良くありません。理由はオリーブオイルが固まってしまうから。
10℃を下回る場所にオリーブオイルを置くとこんなことに…
・固まる
・白く濁る
・白い沈殿物ができる
これらは基本的に油が固まることで起こる現象です。口にするにあたって品質上問題はありません。
しかし、使いたい時に固まっていて無理やり温めて溶かそうとするのはよくありません。
そうならないためにも冷蔵庫での保管は避けるのが無難です。
おすすめのオリーブオイル3選
ICONO エキストラバージンオリーブオイル
|
原産国:チリ
さわやかでフルーティーな味わいのオリーブオイル。
収穫から油を絞る工程までをなんと4時間以内に行っているとのこと。
そのためオリーブオイルのフレッシュさを感じることができます。
製造しているMORE社は世界各国で様々な賞を受賞している実績のある会社で、「チリの砂漠から届く金のオイル」と評価されるほどです。
ナッツ類の風味も感じられるバランスが取れたオイルで、サラダや前菜、そのまま食べる料理におすすめ。
黒いボトルは高級感がありおしゃれで、ギフトにもおすすめできる商品です。
【使用例】
カルパッチョ
サラダ用ドレッシング(そのままでも◎)
バゲットにつけて
みんなのクチコミまとめ
https://twitter.com/xjAci6EytTzzo3Q/status/1706435667335799186
ジョージさんの企画で当選したICONOオリーブオイルでエビとスルメのペペロンチーノ!普段使ってるオイルの臭さがなくさわやかでうまいー! pic.twitter.com/gKAXGgICw2
— 嵐を呼ぶ乱高下のつな。 (@QueseraserA818) April 4, 2023
ビシソワーズつくったうまひ
ICONOのオリーブオイルめっちゃ合うのよな pic.twitter.com/IO2wRUbROv— れい (@rei11021201) October 5, 2022
CARM プレミアムオーガニックエキストラバージンオリーブオイル
|
原産国:ポルトガル
さっぱりしていて少し辛味のあるオリーブオイル。
鼻に抜ける香りが豊かで、国際コンクールでも多くの賞を受賞しています。
CARMのオリーブは寒暖差が激しい渓谷で育つため、害虫がよりつかないオーガニックな果実です。
収穫から油を搾るまでの間の移動時には、オリーブの果実が傷つかないように小分けにして運ぶこだわりぶり。
年ごとのオリーブの収穫量にバラツキがでようとも、プロの生産者が品質の高いオリーブオイルを作ってくれます。
オリーブオイルといえば洋食をイメージしがちですが、煮物やお味噌汁などの和食に入れても合う一品です。
【使用例】
煮物
温野菜にかけて
パスタの仕上げにひとまわし
みんなのクチコミまとめ
CARMのオリーブオイル。今朝はこいつでトーストを頂くぜ。CARMはオリーブオイルの中でも、まろやかとか熟成されたというより、青々とした香りとピリッと棘があるフレッシュな味わいで、僕の好みだ。中の粒々はコショウとガーリックパウダーとクレイジーソルト。 pic.twitter.com/viRXTqC9Jr
— ながちゃか (@nagachaka) August 11, 2019
初めてハンバーガー作った。イメージはクアアイナなんだけど、難しかった。。
パテはマルディグラを参考に、牛挽肉に、刻んだ牛脂を混ぜる。
同じくマルディグラのトスカーナ・フライドポテト。ローズマリーとタイムと一緒にCARMのオリーブオイルで揚げる。
あと豆苗とミニキャロットの乳化サラダ。 pic.twitter.com/URv5UntOnF— HANA (@egg_hana) June 11, 2019
オイラの大好きなCARMのオリーブオイル出してくれるポルトガル料理の店!#BAR_SAUDE #本八戸 pic.twitter.com/VM6Vrm9NSp
— K.J._E36_Regensburg (@E36_Regensburg) December 10, 2022
nakato ヴィラブランカ オーガニックエクストラバージンオリーブオイル
|
原産国:スペイン
マイルドでクセが少ないオリーブオイル。
辛味が少ないのでスパイシーな味わいが苦手な人でも気にせず食べられる。
1840年創業の老舗が作るオリーブオイルはオリーブのフレッシュさをしっかりキープします。
遮光瓶に入ったオイルは酸度0.4%の厳選されたエキストラバージンオリーブオイルです。
どんな料理にも合うまろやかな味わいで、ちょっと高価なオリーブオイルを試してみたい方におすすめです。
【使用例】
ペペロンチーノ
サラダ用ドレッシング(そのままでも◎)
そのまま飲む(朝に15mL程度)