なんとなく「いいんだろうな」と思いながら、詳しいところまでは知らない人も多いのではないでしょうか。
この記事ではオリーブオイルのカロリーはもちろん、他の油との比較や摂取量の目安などを簡潔にお伝えします。
目次
オリーブオイルのカロリーは高い?低い?
オリーブオイルのカロリーは100gあたり894kcalです。大さじ1杯(12g)にすると107kcalとなります。
植物性の油と比べてみた
料理のときによく使うサラダ油やごま油と比較した結果はこちらです。
大さじ1杯あたりのカロリー比較
オリーブオイル | サラダ油 | ごま油 |
107kcal | 106kcal | 106kcal |
ドレッシングと比べてみた
オリーブオイルはサラダにかけて食べることもありますね。ドレッシングと比較した結果はこちらです。
大さじ1杯あたりのカロリー比較
オリーブオイル | ごまドレッシング | シーザードレッシング | 和風ドレッシング |
107kcal | 59kcal | 68kcal | 36kcal |
※上記のドレッシングはキューピーのドレッシングを参考にしています。
バターと比べてみた
お菓子作りのときにバターの代わりにオリーブオイルを使うこともありますね。バターと比較した結果はこちらです
大さじ1杯あたりのカロリー比較
オリーブオイル | バター |
107kcal | 105kcal |
オリーブオイルのデメリット
ここまででオリーブオイルのカロリーが少し高いということがわかったと思います。
こうなるとカロリーの他に注意することがあるか気になりますね。オリーブオイルのデメリットについて簡単に紹介します。
価格
オリーブオイルは他の食用油と比べると割高です。オリーブオイルの種類によってはとっても高価なものもあります。
油を1本買うのに3,000円使うって考えるとちょっと敬遠しちゃいますね。
酸化しやすい
オリーブオイルに含まれるクロロフィル(葉緑素)は光に当たると光合成をして酸素を作り出します。
酸化するとオリーブオイルの健康・美容効果が下がってしまうので劣化しないような保存が必要です。
種類がたくさんある
実はオリーブオイルの中にもいくつかの種類があります。精製方法の違いや、含まれている成分に違いがあるのです。
バージンオリーブオイル
ピュアオリーブオイル
精製オリーブオイル
ピュアオリーブオイル
オリーブオイルの栄養素
オレイン酸
オレイン酸は不飽和脂肪酸の一種で酸化しにくい性質を持ったオメガ9系の油です。
不飽和脂肪酸は魚や植物系の脂に含まれており、悪玉コレステロールを抑制します。また、オメガ9系の油は血管を健康に保つ効果もあります。
体内でも作ることはできるのですが、不足がちになるため食事による接種が勧められています。
ポリフェノール
ポリフェノールは植物が光合成によって生成する抗酸化物質です。ほとんど全ての植物に含まれていて、植物の色や苦みの元にもなっています。
ポリフェノールの持つ抗酸化作用は人間にも有用で、人間の体内で生成される「活性酸素」を取り除いてくれます。
活性酸素は体内の脂質を酸化させて過酸化脂質と呼ばれる物質に変えてしまいます。これにより免疫機能低下や老化、動脈硬化の原因にもなります。
クロロフィル
またの名を葉緑素といいます。理科の授業で聞いたことありますね。植物や藻類などに含まれる緑色の天然色素のことです。
葉緑素は植物の成分ですが、人間の血液の色素と似た構造をしています。
そのため、体内に摂取された葉緑素は血液中で鉄と結合し、赤血球や筋肉のヘモグロビンなどの色素に変わります。
また、食物を通して接種してしまう一部の有害物質を吸着して排出させる解毒作用も持っています。
血管内のコレステロールを吸着する働きもあるので、コレステロールを抑えて血液の流れをよくする働きもあります。
オリーブオイルと健康
オリーブオイルは健康に良いと言われています。
オリーブオイルに含まれているオレイン酸やポリフェノール、ビタミン類などの成分が高い健康効果に繋がるとされているからです。
抗酸化作用
普段の呼吸をする中で酸素の一部が変化して生まれる活性酸素は、体内の脂質を過酸化脂質に変化させて免疫機能の低下や老化を引き起こします。
また、細胞へのダメージや動脈硬化などの生活習慣病の原因になります。これらはストレスでも増えるといわれていますが、抗酸化作用があれば防いでくれます。
オレイン酸やポリフェノールに含まれる抗酸化作用は、活性酸素の攻撃を抑制してくれます。保湿成分も多いためシワの予防になり、美容効果にも期待できます。
生活習慣病の予防
悪玉コレステロールの増加や加齢により血管がもろくなったり、詰まったりすることがあります。そうなると動脈硬化、心筋梗塞などの生活習慣病になることも。
オリーブオイルに含まれるオレイン酸は悪玉コレステロールを抑制する効果があり、クロロフィルは血液の流れをよくする働きがあります。
血液がうまく循環しないと酸素や栄養素を体の隅々まで届けることが難しくなり、心臓に負担をかけてしまいます。
ダイエット効果
オリーブオイルに含まれるオレイン酸は脂質の代謝を活性化する作用があるため脂肪燃焼効果が期待できます。
他にも満腹中枢をしげきする効果があり、食べ過ぎることを防ぎ食欲を抑えることができます。
オレイン酸が脳の満腹中枢を刺激するまでには時間がかかるので、食事の約1時間前にオリーブオイルを摂取するのがおすすめです。
また、オリーブの香りの作用でセロトニンという脳内物質が分泌されます。セロトニンは精神を安定させる効果があり、ダイエット中の空腹感によるストレスを軽減します。
脳内の神経伝達物質のひとつで、精神を安定させる効果がある。(別名:幸せホルモン)
日光浴やリズミカルな運動によって活性化される特徴がある。人との触れ合いも効果的。
腸内環境の改善
オリーブオイルの主な成分であるオレイン酸には、腸内を刺激して蠕動運動を活発にして排便を促す働きがあります。
また、オリーブオイルには不溶性の食物繊維が含まれていて、便の硬さを調整する作用があります。そのため、腸内での便の通りが良くなって便秘が解消されやすくなります。
腸内環境の改善や免疫力の向上や、体脂肪を溜めにくい体づくりにも役立ちます。
オリーブオイルと美容
オリーブオイルは健康だけでなく美容にもいいと聞いたことはありませんか。
オリーブオイルの主成分であるオレイン酸は人の皮脂成分にも含まれており、人の肌の皮脂成分に似ていると言われています。
なので、オリーブオイルを塗った際に肌なじみが良くなるのです。肌に溶け込むようにサラッとしているのはこのためです。
保湿効果
オリーブオイルを肌に塗ることで皮膚の表面にうすい膜ができ、皮膚からの水分の蒸発を防ぎます。
肌のうるおいを逃さず、乾燥による肌荒れに効果を発揮します。唇や爪のケアにもおすすめです。
また、角質層に浸透して肌にうるおいを届けるので肌がやわらかくなります。やわらかく、しっとりするので乾燥による小じわ対策にもなります。
洗浄効果
オリーブオイルは油性の汚れを浮かせて取り除く効果があります。
肌に塗ることでメイクや毛穴に詰まった油汚れをしっかり落としてくれるのです。
全身に使える
オリーブオイルは肌だけに効果があるわけではありません。パサつく髪の毛や爪にも艶を与えることができます。
シャンプーを頭で泡立てたあとに、同量のオリーブオイルを混ぜて揉み込むように洗いましょう。
ドライヤー後の髪にハリが出て、うるおいを感じられるようになります。目安は週に1〜2買いです。
どのくらい摂取すればいい?
成人の1日あたりの摂取量目安
一般的な成人の1日の摂取カロリーのめやすをおさらいしましょう。
男性 | 女性 |
2,400〜3,000kcal | 1,800〜2,200kcal |
オリーブオイルの摂取量目安
オリーブオイルは1日あたり大さじ1〜2杯を摂取するのが適量と言われています。高カロリーなので摂り過ぎには注意が必要です。
大さじ1杯 | 大さじ2杯 |
126kcal | 256kcal |
相性のよい食材と摂取方法
にんにく
記憶力アップ
コレステロール改善
血管の健康向上
にんにくにはアリシンという成分が油に溶け出すときにアホエンという成分が生成されます。このアホエンは血流をスムーズにする効果を持っています。
オリーブオイルに含まれるオレイン酸やクロロフィルもコレステロールを抑えて血液の流れをよくする効果があり、同時に摂取することでより高い効果を期待できます。
血流がよくなることにより、脳の神経伝達物質を活性化して認知症や脳卒中の予防に役立つとも言われています。
アホエンは100℃で壊れてしまう性質があります。オリーブオイルににんにくの香りを移す際には低温でじっくりと加熱しましょう。
ペペロンチーノ
アヒージョ
トマト
老化防止
コレステロール改善
トマトには老化防止の成分である抗酸化物質のβカロテンとリコピンが豊富に含まれています。
これらは油に溶ける特性を持っていて、オリーブオイルと一緒に食べることで体内への吸収効率がよくなります。
特にリコピン酸は調理方法で吸収率に大きな変化があります。
おすすめの調理方法は加熱です。加熱することで通常より吸収率が3〜4倍にアップすると言われています。
βカロテンは肌によい成分です。シミやそばかすの原因となるメラニン色素の生成を抑える効果があります。
カプレーゼ
鶏肉のトマト煮込み
ほうれん草
免疫力アップ
貧血予防
むくみの解消
メンタルの安定
ほうれん草には豊富なビタミンAが含まれています。ビタミンAは強い抗酸化作用を持ち、オリーブオイルのオレイン酸と合わせて免疫力アップが期待できます。
また、ほうれん草に多く含まれている鉄分は貧血予防にも役立ちます。他にも、カリウムはむくみの原因となるナトリウムを排出する効果があり、むくみ解消にもつながります。
さらに、豊富なビタミンCはメンタルの安定にも役立ちます。うつ病予防効果のあるトリプトファンが含まれる豆腐やチーズと一緒に食べるとより有効です。
ほうれん草のソテー
ほうれん草のおひたし
納豆
便秘改善
コレステロール改善
骨を丈夫にする
また、オリーブオイルに含まれるオレイン酸は小腸で吸収されにくく、大腸まで到達しやすい成分です。
そのため、腸内での便の動きがスムーズになり排便がスムーズになる効果が期待できます。
他にも、納豆に含まれるビタミンKはカルシウムが骨になるのを助ける働きがあります。
オリーブオイルもカルシウムが骨に吸着するのを高める作用があるので、一緒に食べることで相乗効果が見込めます。
冷奴onオリーブオイル納豆
納豆パスタ
レモン
デトックス効果
コレステロール改善
関節痛の緩和
レモンに含まれるクエン酸は肝臓細胞の再生や分解を促進する働きがあり、体内から毒素を排出する作用があります。
脂質が多い食事を消化するためには多くの胆汁が必要になり、胆汁の分泌をスムーズにするレモンは油との相性がよいのです。
他にもレモンとオリーブオイルは抗酸化作用があり、髪や爪、アンチエイジングにも有効です。
また、抗炎症作用もあるので関節痛を和らげる効果もあります。
レモンとオリーブオイルのドレッシング
マリネ全般