「仕事が長く続かない…」HSPの人が抱える悩みのひとつです。
HSPは外部環境から刺激を受けることが多く、仕事に集中できなかったり、ストレス負荷がかかってしまう傾向にあります。仕事内容は好きだけど職場環境に耐えきれずに辞めてしまうなんてことも珍しくありません。
それではHSPはどのような仕事が向いているのでしょうか？この記事では仕事内容や職場環境、仕事を探す時のポイントを解説していきます。
- HSPは仕事内容・職場環境からのストレス負荷があることを理解しよう
- 仕事を続けやすくするためには外部環境だけでなく、自身のスキルアップも必要
- 転職活動時には転職エージェントのキャリアアドバイザーをうまく活用しよう
目次
HSPってなに？
HSP（Highly Sensitive Person）は非常に繊細な気質を持つ人を指し、神経系の違いから外部の刺激に対して通常の人よりも敏感に反応します。人口の約15〜20％がHSPとされ、生物学的なこの気質は成長や環境の影響を受けても完全に変わることはないと言われています。
HSPは診断名ではなく、病気や障害でもありません。あくまで個々の気質を表す言葉であり、「敏感さ」を特徴とする人々が持つ特性を理解するための概念です。
HSPの特徴
HSPの特徴は「DOES」という4つの要素に集約されます。
- Depth of Processing（処理の深さ）
- Overstimulation（過剰な刺激を受けやすい）
- Emotional Reactivity（感情的反応の強さ） & Empathy（共感力）
- Sensitivity to Subtle Stimuli（微細な刺激への感受性）
Depth of Processing（処理の深さ）
HSPはものごとを深く考え、情報をていねいに処理する傾向があります。ささいなできごとや言葉の裏側にある意味を考えるため、共感力が高く、他者の気持ちを敏感に察知します。
Overstimulation（過剰な刺激を受けやすい）
刺激に対して敏感で、音、光、人混みなどの環境要因に影響を受けやすい特徴を持ちます。多忙なスケジュールや騒がしい場所は疲労を引き起こしやすく、休息が必要です。
Emotional Reactivity（感情的反応の強さ） & Empathy（共感力）
他人の感情に対する共感力が高く、他者の喜びや悲しみを自分のことのように感じます。この感情的な反応は強みでありながら、エネルギーも消耗します。
Sensitivity to Subtle Stimuli（微細な刺激への感受性）
周囲のちょっとした変化や人々の態度の違いなど、普通なら見過ごされるようなささいな刺激に気づきやすい特徴を持ちます。観察力が鋭く、気にしすぎるとストレスがかかります。
HSPに向いている仕事の種類
ここからはHSPに向いている仕事を紹介します。自身の能力や職場の環境などの要因を中心に見ていきましょう。
クリエイティブ系
HSPには感受性が豊かで想像力が高いという特長があります。自身の考えたものを形にし、人の役に立つということはHSPにとっても満足しやすい状況を創り出すことができます。
企業内でデザイナーとして働くことも良いですが、制約が多すぎる状態のクリエイティブは逆に負荷がかかりやすいことも。
そういった点も考慮すれば、フリーランスとしてのクリエイティブ制作が向いているでしょう。自分の頑張り次第で収入の増減が決まってしまいますが、多くに縛られることなく柔軟な時間の管理ができる事が魅力のひとつです。
柔軟な働き方ができると心身共に負荷を軽減することができるので、技術的な要素を身につけることがおすすめです。
医療・福祉系
HSPには人の役に立つことに喜びを感じやすい特徴があります。HSPの人が持つ共感力をしっかりと活かすことで医療・福祉の分野では活躍しやすいでしょう。
対人することにストレスを感じやすい傾向を持つHSPですが、それと同じくらい人の役に立つことにやりがいを感じることもできます。
医療・福祉の分野では人の心身に寄り添いながらサポートをすることが必要ですが、共感力の高いHSPは得意分野です。苦手なことではなく、得意な分野で勝負することで意欲的に続けやすくなるでしょう。
また、この分野は安定している職業なのもポイントです。長期的なキャリアを築きやすく、安定志向のHSPにとっては心配事をひとつ減らすことができます。
リモートワークが可能な仕事
HSPの中でも特に対人関係にストレスを感じやすい人はリモートワークができる職種がおすすめです。
1日の中でやる事を決め、それに対して自分のペースで働くことができるのはストレスの軽減につながるでしょう。
リモートワークが可能な職種には正社員やアルバイト・派遣などの多様な選択肢があるのもポイントで、自信のライフスタイルに合わせた働き方が可能です。
仕事とプライベートのバランスを保ちながら生活できれば、仕事もより続けやすくなるでしょう。
HSPが働きやすい職場環境
HSPはまじめに仕事に取り組みますが、他人にはわからないようなポイントでストレスを感じていることが多くあります。ここではどのような職場が働きやすいかを紹介します。
静かな環境の重要性
HSPは五感が鋭く周囲から色々な刺激を受けやすい特徴があります。その中でも「音」は重要な要素です。
まじめで頑張り屋さんではありますが、音に敏感なため周囲がざわついていると集中できずストレスが溜まりパフォーマンスが上がりません。
パフォーマンスが上がらず、成果が出ないと自分を責め始めてさらにストレスを感じて疲弊していくことも。
そのため、仕事をする環境はなるべく静かな場所が望ましいでしょう。雑談をしながらワイワイという職場ではなく、みんなが静かに仕事に取り組む職場の方が向いています。
柔軟な働き方ができる
仕事の時間や方法までガチガチのルールに縛られているより、目標さえしっかりと達成すればある程度自由度がある職場の方が成果を出しやすいでしょう。
周囲から色々な刺激を受けて疲弊するHSPにとっては少しの休憩時間も重要なポイントです。
徹底的に管理されている状況よりも、柔軟に働く時間や休憩時間が調整できると仕事が長く続きやすいかもしれません。
HSPが避けるべき仕事の特徴
色々なことを気にしすぎてしまうHSPにとって仕事内容・人間関係共にプレッシャーがかかりやすい職場は苦手です。ここでは避けるべき仕事・職場について紹介します。
高ストレスな職場
誰もが同じに感じる事ではありますが、ストレス負荷がかかりすぎるとメンタル面での不調を起こしやすくなります。
過度な営業目標やプレッシャーがかかりすぎる職場は避けるのが無難です。
メンタルを崩したことがないHSPは自分の限界がわからずとにかく頑張り続けますが、結果体調を崩すと長い間戻ってこれなくなることも。
このようにならないようにも、自分の中で小さなことでも変化が起こった場合にそのサインを無視せず休憩する必要があります。
また、自身が感じているストレスがどのような点が原因になっているかも特定することが重要です。原因がわかっていれば０にはならなくても対策を考えることができます。
ストレスと向きあい、どのように向き合って歩んでいくかを理解・実践していければ心の負担は少しだけ減らすことができます。
人間関係が複雑な職場
HSPは周囲の不仲が苦手です。自分が直接的に関係なくても周りから聞こえてくる愚痴や悪口で疲弊していきます。社内の派閥争いや足の引っ張り合いなんて１ミリも関わりたくないのです。
自身は調和を重んじるのでどちらに肩入れすることもありませんが、それ故に周囲との関係性を築きにくい場面も出会います。
社内でどのような人間関係が築かれているかを確認し、自身へのダメージが少なくなるような立ち回りができるようになれば負担は減らすことができます。
HSPにおすすめの転職エージェント
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HSPが仕事を探す際の注意点
業務内容の明確化
あれやこれやと担当する業務内容の種類が多いより、限られた内容をじっくり丁寧に行うほうがHSPは得意です。
転職を検討する際には求人内容をしっかりと読み込み、キャリアアドバイザーとの面談の中で仕事内容を深掘りしていくことがおすすめです。
仕事を行う上で、自分の役割が明確になっていると意欲的に取り組めます。転職先でどのような業務を担当し、自身がどのように会社に貢献できるかもじっくりと考えると良いでしょう。
向いていない点ははっきりと伝えた方が後ほど苦労しません。とりあえず転職するのではなく、自身がしっかりと頑張っていける環境をしっかりと探し・選ぶことがポイントです。
自分に合った働き方の確認
仕事をするにあたって自分がどのような価値観を持っているかを振り返ることが大切です。
仕事を通じて感じるやりがいや達成感、誰かの役に立っているという自己有用感、はたまた仕事内容には何も感じず給料をもらうためなど価値観は人それぞれです。
HSPが仕事を続けるためには、柔軟な働き方ができる職場が理想です。職場の雰囲気を事前に把握し、自分に合った働き方ができれば長く続けられるようになるでしょう。
HSPのためのキャリアアップ方法
キャリアアップからもたらされる周囲から自分への評価、誰かの役に立っているという自己有用感は仕事を続ける上でのモチベーションのひとつになります。キャリアアップをすることで自然と続けられる環境を自身が作り上げることもできるのです。
ここではキャリアアップの方法について紹介します。
スキルアップの重要性
スキルアップはキャリアの成長には欠かせないポイントです。しかし、やみくもにスキルを身につければいいというものではありません。
これまでの自分の経験を振り返り、自身に何が合っていて、何が必要なのかを考えてから学ぶのがおすすめ。手始めに書籍で学んでみるも良し、最初からオンラインスクールなどでがっつり向き合うのも良いでしょう。
手にしたスキルはしっかりと活用することが大切です。業務上でスキルを発揮したり、副業として活用してみるのもひとつの手です。自身が身につけたスキルを発揮し、評価を受けることで自己有用感が上がったり、成長を促したりする効果が期待できます。
ネットワークの構築
自身にスキルが身についても一人だけでは仕事は回っていきません。自分に合った方法で人とのつながりを増やしていくことも重要です。
職場では上司や同僚とのコミュニケーション、副業なら同業の人々とのwebやSNS上でのつながりを活用することで自身のキャリアアップに役立ちます。
自身にはない視点や自身が持つ考えをより深掘りするためにも周囲とのつながりは欠かせないものとなるでしょう。
HSPが無理なく続けられる仕事を見つけるために
自分を理解することの重要性
自身を理解することはHSPにとって非常に重要なポイントです。自分はどのような価値観を持ち仕事に向き合っているのか、自分がどのような点が苦手でストレス負荷がかかりやすいのかをしっかりと理解することで選ぶ職種が変わってくるでしょう。
全てが仕事に関わることでなくて構いません。普段の自分の生活の中で自分の気持ちや反応に意識を向け、無意識のうちに抱えている自分の思いを整理していくことが大切です。
自己理解はその後の自分の行動の自信にもつながります。自分の強みや弱み、価値観、目標などを明確に認識できるようになり、自己肯定感が高まるのです。
一人でじっくりと自分を振り返るのも良いですが、周囲の人から見えるあなたを客観的に教えてもらうことも有効です。他人から見たあなたの得意・不得意を教えてもらうことで、自分の考えとのズレを見つけたり、新しい自分の強みを見つけることができます。
適職探しのステップ
就職活動・転職活動となるとまず仕事・求人を探してから深掘りをしようとする人が多いかもしれません。間違いではないものの、自身の振り返りをする際に、気になる職種に偏った振り返りになるかもしれないのでおすすめできません。
適職を探す場合は以下のようなステップがおすすめです。
1.自己分析
2.求人情報の確認
3.企業研究
4.書類作成・応募・面接など
まずは何よりも先に自己分析をしましょう。自分に何の仕事が合っているか？のような考えは一切持たず、ただただ自分を振り返って理解することに努めましょう。
自己分析が済んだら、自分に合う内容で求人を探してみましょう。とりあえず働かなくちゃ…と焦って幅を広げて入社してしまうと後々続かずに後悔することもあります。まずは自分に合った仕事をじっくりと探しましょう。妥協するのはもっと後からでも大丈夫なはずです。
気になる求人があり、自身の適正もありそうでももう少し調べましょう。次は企業のことです。業界的な成長見込み・基本とされる働き方などの傾向を知ることで、ミスマッチの確率を減らすことができます。
ここまでの工程を自身で納得できるまで行えたならその先に進みましょう。
求人探し以降のステップには転職エージェントのキャリアアドバイザーの協力を仰ぐのもおすすめです。以下の記事も参考にどうぞ。
