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気を遣いすぎて職場がつらい…HSPの「見えない疲れ」の正体とは

「今日も一日トラブルなく仕事を終えることができた!でも、なんだかとてもつかれている」

仕事が終わって家に帰ると、倒れるように横になる程疲れている。でも、何にそんなに疲れているのかが自分でもよくわからない。

あなたもこんな風に感じたことはありませんか?

この「見えない疲れ」の正体は一体何なのでしょうか?この記事では私の実体験を元に、「見えない疲れ」の正体の解説、簡単なセルフケアの方法をご紹介します。

この記事のまとめ
  • HSPは職場で気を遣いすぎて疲れやすい
  • 気を遣いすぎる原因はHSP特有の感受性にある
  • 自分を守るための具体的なセルフケアが必要

HSPが「気を遣いすぎる」日常


職場では、朝の挨拶からすでに気を遣う場面が始まりますね。

「おはようございます!」と挨拶をした時、相手によって返ってくる声の大きさやテンションの違いを顕著に感じ取ることができます。

「今日は機嫌が悪いのかな?」「もしかして体調不良とか…?」なんて思えば、その人に対しての接し方には緊張度が増してしまうことに。

休憩時間の雑談も、「会話に入るべき?」「どんな言葉を選べば角が立たないかな?」と常に頭をフル回転することもありますね。

同僚の愚痴にも「うんうん」と相づちを打ちつつ、心の中では「正直ちょっとしんどいな…」と感じている人も多いのではないでしょうか?

結果、特に大きな業務をしたわけでもないのに、ぐったりと疲れがたまっていく…。

これは「気にしすぎ」ではなく、HSP特有の「気を遣いすぎてしまう脳の働き」が原因かもしれません。

HSPが「気を遣いすぎる」のは、脳の仕組みに理由がある


HSP(Highly Sensitive Person)は、感覚のアンテナが非常に鋭く、他人の表情や空気の変化を敏感にキャッチします。

※HSPの基本的な特徴は以下の記事にまとめています。よかったら参考にしてください。

「また気にしすぎてるよ」その一言に傷ついたあなたへ。HSPという気質と向き合う方法繊細すぎる自分に悩む方へ。HSPの特徴やあるある、対処法まで丁寧に解説した共感型の記事です。...

実際、心理学の研究でも「HSPの脳は共感や感情の処理に関連する部位が活発に働く」と言われています。

つまり、HSPが気を遣いすぎてしまうのは“性格の問題”ではなく、“気質”として備わっているものなのです。

誰かと2人で話している時ですら気疲れしていることが多いのに、職場のような「人の感情が入り混じる場所」は自身を消耗させてしまう大きな原因となります。

周囲の状況を読み取りながら色々な事を考えるHSPは、職場のような場所では情報を処理する脳の働きが過敏な状態となり、周囲の空気や感情を常にキャッチしてしまい常に気が張っている状態に。

だから特別何か大変な業務に取り組んだわけでもないのに疲れてしまいます。

これは何もしていないわけではなく、「何も言わずに全力で周囲に対応していた」という証拠でもあるのです。

気を遣えることは、立派な長所。でも…


HSPにとって、空気を読みすぎて疲れてしまうことは、「弱み」や「欠点」と捉えがちです。

一方で、「空気を読む力」や「相手を気づかえる力」は、仕事においてとても大切な能力であり、備わっていること自体は誇っていいことでしょう。

・相手の気持ちに寄り添える
・雰囲気を乱さないように配慮できる
・トラブルを未然に防ぐ力がある

これらは数値化をすることが難しいポイントです。

一方で、人間関係を構築して円滑に仕事を進めていくことができるため、職場の中では重宝される能力となります。

ただし、この能力は「自分をすり減らす”諸刃の剣”にもなる」こともしっかりと認識しておきましょう。

HSPは気づけば1日中、頭の中で人の感情を想像し、対応のシミュレーションをし続けてしまいます。

・相手を嫌な気持ちにさせてないかな?
・あの一言、言い方まずかったかも…
・なんであの人、今ちょっとよそよそしかったんだろう…

…こうして無意識に“気配りモード”のスイッチが入っていることがあるのです。

この疲れの厄介なところは、「なぜ疲れてるのか説明できない」という点にあります。

HSPが「気を遣いすぎる」ことをやめるためのセルフケア

ここでは、HSPである私が、日々意識していることを紹介します。誰でも簡単にできるので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。

情報をシャットアウトする時間をつくる

無意識のうちに周囲の状況を感じ取って思考してしまうHSPにとって重要な対策は、「気配りモード」をコントロールすることです。

・小休憩時に自販機まで飲み物を買いに行く
・散歩がてら少し離れたフロアのトイレに行く
・お昼休みは1人ランチ

こうした「ちょっとした距離」が、気を遣いすぎた心をリセットしてくれます。

「また気を遣いすぎてたな」と自覚する

気を遣うのは悪いことではありません。だからこそ、「自分が疲れるほど気を遣っていた」ことに気づいてあげられるようになりましょう。

「またやってるな〜」「空気読みすぎたわ」とゆるく気づけるだけでも、疲れが軽くなることがありますよ。

会話のあと、こっそり自分に「お疲れさま」と声をかけてあげるのもおすすめです。

「全ての人に応えなくていい」と許す

HSPにとって周囲の人の優劣をつけることは難しく、全ての人に対して同じように気を配ってしまう傾向があります。

事実だけを捉えると良く見えるものの、裏を返すとその分エネルギー消費量が激しくなってしまうということです。

少しずつでいいので、「全ての人の感情に気を配らなくていい」「自分が無理してまで相手に寄り添う必要はない」など、自分に言い聞かせてあげるようにしましょう。

無理をした先に待つのは、自身が心身ともに疲れて体調を崩すこと。周囲の人より少しだけでもいいので、自分を大切にする心を育てていきましょう。

その優しさを、まずは自分に向けよう

「気を遣いすぎる自分」が苦しくても、あなたのその優しさは誰かの支えになっているはずです。

でも、本当に大切なのは「その優しさを、自分にも向けること」。

・疲れたら、ちゃんと休む
・無理して笑わない
・自分の「しんどい」に気づいてあげる

今日、誰のためにどれだけ気を遣いましたか?そして、あなた自身のことは、どれだけ気づかってあげられましたか?

仕事をするにも体が資本です。まずは自分を労り、できる範囲の中で頑張っていきましょう。

それでも苦しいな…と思うようであれば、転職をすることもひとつの手段です。

「転職も気になるけどよくわからない…」そんなHSPさんは、まずこちらの記事をご覧ください。

あなたの人生が少しでも良くなるように、お手伝いできれば幸いです。

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