HSPが人より疲れやすいって聞いたことある人もいるかもしれません。HSPは頑張り屋さんだからこそ疲れる側面もありますが、周囲からの刺激や人間関係のストレスに人一倍敏感な特徴も持っています。
HSPの知識を持ち合わせていないと「自分ってなんか変なのかな?」と不安に感じてしまうかもしれません。
ですが、HSPという存在を知り、自らもその気質を持っていると自覚するだけで、それからの考え方や行動を見直すことができます。
この記事では「無理せず、自分らしく過ごす」ためのポイントや、私が実践している平日と休日の過ごし方も合わせて紹介します。
- HSPは「繊細すぎる」のではなく、豊かな感受性を持つ気質
- 気質に合った工夫で、HSPの生きづらさは和らげることができる
- 繊細さは、あなたらしさであり「優しさのかたち」でもある
目次
HSPとは?
HSP(Highly Sensitive Person)は非常に繊細な気質を持つ人を指し、神経系の違いから外部の刺激に対して通常の人よりも敏感に反応します。人口の約15〜20%がHSPとされ、生物学的なこの気質は成長や環境の影響を受けても完全に変わることはないと言われています。
HSPは診断名ではなく、病気や障害でもありません。あくまで個々の気質を表す言葉であり、「敏感さ」を特徴とする人々が持つ特性を理解するための概念です。
HSPの特徴の詳細・基本情報はこちらの記事で紹介しています。

HSPが抱えやすい日常の疲れ3選
感覚的な刺激で消耗しやすい
HSPは五感が鋭く、音や光、匂いなどの周囲の環境から多くの刺激を受けてしまいます。自分ではコントロールできない外的要因から受ける刺激によりエネルギーを消耗したり、ストレスを蓄積してしまう傾向があります。
「うわっ、眩しい!」部屋の中の照明、外出中にそんなことを感じたことはありませんか?
私が顕著に感じるのは周囲が暗くなってからの運転中です。極端に目に入るわけでもない対向車の光から刺激を受けて、夜の運転の後は高確率で頭痛を引き起こします。
もちろん日中に感じることもあるのですが、他の人は感じないであろう部屋の照明からも刺激を受けています。
今こうやって記事を書いているの時間は、天井の照明は点けずに間接照明で過ごしています。白く明るい部屋は清潔感もあり気持ちが良いものの、自分にとっては明るすぎるのです。
光は刺激のひとつの要素でしかありません。音や匂いにも他の人より敏感であるからこそ、日々の生活の中で疲れやすいのです。
人間関係で気疲れしやすい
HSPは周りの空気感を読む能力が長けています。そして平和主義なことも相まって、周囲の人間関係で問題が起きないように空気を読んだ上で気遣いをとことんします。
今想像しただけでも疲れた気持ちになりませんか?本当はやりたくないのに、ついついやってしまうんですよね。
私がよく引き起こしているのは板挟み状態になることです。人間やはり相性があって周囲の人々の中でもうまくいっていない間柄ってありますよね。
その間に挟まれることが多いんです。たぶん原因は自分が八方美人であるから。
まず人から嫌われたくない、そんな気持ちを心に持ちながら人と接するとどうしても相手に合わせる形で過ごしてしまいます。
相手にとっては嫌な人には映りません。なんせ話は聞いてくれるし、否定もしない、ましてや結構褒めてくれる人なんですから。
ではこれを周囲全体にやるとどうなるでしょう?
そう、周りの人のいろんな人間関係の愚痴をめっちゃ聞くことになるんです。別に自分としてはそこまで悪く思っていない人の愚痴もたくさん聞かされます。
ここで少し自分が悪いのは、それを普通に全部聞いてあげてしまうところ。でもそれを断ることができないんですよね、嫌われてくないから。
そんなこんなでネガティブな発言を聞いていると、とっても疲れてしまいます。いっそ変な人だと思われて話しかけられたくないくらいです…できないんですけど。
常に頭の中がフル回転で考えが巡っている
HSPは起こったできごとや眼の前の状況を気にしすぎる傾向にあります。
打ち合わせや人と話す前に、話すことを整理した上で「こう言われたらこう返す」「でもこう言われたらどうしよう…」なんてわからないことまでシミュレーションをしながらエネルギーを使うこともしばしば。
私は仕事中の打ち合わせや電話の前によくこうなってしまいます。頭の中で実際に話しているようにシミュレーションをするのですが、その際に周囲の雑談が耳に入るとうまくできずにイライラしてしまうこともあります。
不安な側面だけでなく、自身のやりたいことがうまくできないイライラも含めてとても疲れてしまうことが多くあります。
不安性なところもあるので事前の準備は入念なのですが、起こるかどうかもわからないことに気を張りすぎる傾向にあるので心が休まるときがないのです。
HSPの疲れやすさを軽減する平日の過ごし方
仕事をしていることを前提に平日の過ごし方のポイントを紹介します。
朝
疲れてギリギリ出発ギリギリまで起きれない…なんて人もいるかもしれませんが、少し努力していつもより早く起きるのがおすすめです。
起きたら部屋のカーテンを開けて日光を浴びましょう。体内時計がリセットされ、翌日からのルーティンを作りやすくなります。
グラス一杯の水を飲むと体内環境も動き始めるのでおすすめです。
少し余裕を持って起きることができたならば、コーヒーでもゆっくり飲んでみませんか?テレビやSNSからのネガティブな情報を遮断しながら過ごすとよりリラックスして過ごせるでしょう。
いつもギリギリで焦って支度しながら感じるストレスとおさらばできますよ。
日中の仕事
気をつけたいのは頑張り過ぎて休憩を取らないこと。
無意識のうちに周囲の色々な刺激を受けているHSPは人より疲れやすいため、適度な休憩が必要です。何も大げさな休憩を取れと言っているわけではありません。
家から持ってきたお気に入りのドリンクを飲んだり、甘いものを食べたりして2〜3分だけでもリフレッシュする時間を作るのがおすすめです。
職場によってある程度自由がきく場合は、周囲の音からの刺激を減らすためにイヤホンをつけて仕事に望むのもひとつの手です。
お昼休憩になったら会社の外に出て少し歩いたり、一人でランチを取ったりして人間関係の刺激から離れましょう。
職場という自分ではコントロールできない環境に身を置く場合には、いかに自分が刺激を感じすぎないように、そしてリフレッシュしながら過ごすことができるように努めましょう。
そもそも自分と今の仕事があっているか疑問に思うことはありませんか?こちらの記事ではHSPと仕事について紹介しています。

夜
日中しっかりと頑張ったので、ここからは自分をいたわる時間です。
私のように特に光に敏感なタイプの人は、少し暗めの部屋で過ごすのがおすすめです。目からの刺激が減るので、入眠もしやすくなりますよ。
次の日も早めに起床したいので、夜更かしは厳禁です。お風呂に入って体を温め、アロマなどでリラックスをしながら眠りにつきやすい環境を作りましょう。
朝と同様になるべく情報は遮断したほうがいいかもしれません。ひとつのできごとを深く考えてしまいがちなHSPにとって、どこでその状態に入るかわからないので、無駄な情報は極力入れないようにするのがおすすめです。
もちろん、ご家庭をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。かくいう私も2児の父です。
自由な時間も限られますが、やることとやらないことの優先順位をしっかり付け、平日は仕事をするコンディションを整えるようにしましょう。
仕事も大切ですが、何より体が資本です。自身の体を大切にしながら、できる範囲の中で頑張って仕事をしていきましょう。
HSPがリフレッシュするための休日の過ごし方
平日は頑張って仕事をこなしましたね。休日は自分のために使う時間が取れるようになるので、趣味に没頭したりリフレッシュにつながる行動を心がけましょう。
予定を詰め込まず「ぼーっとする時間」を作ってみる
これ意外に大事です。
HSPはまじめな性格なので、常に何か行動をしていなきゃいけないという強迫観念に駆られる人もいます。ただそれではやることが変わっただけで、仕事をしているのとあまり変わらない状況に…。
思い切ってゆっくりと何もしない時間を設けてみるのはとても良いことだと思います。
私は最低限の家事はこなしつつ、何も考えない時間を意図的に設けるようにしています。そのまま寝ちゃうこともあるんですけどね、たまに子どもたちからクレームが入ります(汗)
趣味に没頭することも悪くないのですが、そこでもHSPのまじめさや完璧主義が発動して疲れてしまうことがあるのでほどほどに何もしない時間を設けることがおすすめです。
自然にふれる
都会の人にはあまり簡単なことではないかもしれません。それでも公園などの木々がある場所に行くだけでも気持ちがリフレッシュできることが多いでしょう。
自然の緑には視覚的な癒やしの効果が期待できます。花が咲いてよい匂いが周りからすれば更に効果は上がるでしょう。
川の流れる音、海の波の音などの自然音の中に身を置くことも有効です。
家庭を持っている人は、家族でキャンプに出かけるのもおすすめです。私は2ヶ月に一度くらいのペースでキャンプに出かけます。
自然の中でゆっくりと過ごす時間は平日の忙しさを忘れさせてくれる重要なご褒美です。
お出かけの予定が立っていれば、それを目標にモチベーション高く平日を過ごすことも可能ですね。
キャンプはハードルが高いというのであれば、折りたたみの椅子を買って川辺で読書をしてみるだけでもいいでしょう。きっと気持ちよく、今までにない体験ができると思いますよ。
会う人の人数をコントロールする
休日になれば友達と遊ぶ機会もあるでしょう。このとき注意したいのは参加する人数です。
周囲に気を使いすぎるHSPは友達の人数が増えるほど消費するエネルギーも増えていき、最悪ガス欠状態になることも。
もちろん自分だけでは決められないこともあると思います。その中でも以下に自分が疲れにくく、楽に過ごせる状況をつくるのかは腕の見せどころです。
リフレッシュするための休日を大変な時間にしないように、うまく立ち回る術を身につけることも考えたいですね。
人数の調整が難しければ、自身の参加する時間をコントロールするのが有効です。
次の予定がある、やらなければいけないことがあることにして、途中で帰るのもひとつの手です。
疲れそうな環境であっても、その中にいる時間を減らすことによってエネルギーの消耗を減らし、楽しい時間でリフレッシュをすることもできるようになります。
HSPが1週間を心地よく過ごすためのおすすめアイテム
お気に入りの食べ物
やはり食は大切で、毎日の気分転換に直結する要素のひとつです。
休憩中のお菓子でもよし、お気に入りのランチやお弁当でもよし、とにかく生きるために必要な「食べる」という行動をリフレッシュと結びつけるのが非常におすすめです。
私の場合、毎日そんなことがあると当たり前になって効果が薄くなってしまうので、逆に制限しつつ1週間に一度ご褒美を用意するという方法も取っています。
入浴剤
どちらかというと入浴自体が重要な行動だと捉えています。疲労の回復、入眠の手助けをする優秀なできごとです。
そこに更に入浴剤をプラスして疲労回復効果を増進したり、香りでリフレッシュできると一日の疲れも取れやすくなるでしょう。
入浴剤にも色々効能があって迷うかもしれませんが、個人的には好きな香りをベースに選ぶことをおすすめしたいです。
40度くらいの温めの温度で15分〜20分ほど湯船に浸かるのが入眠にも効果が高いのですが、その時間を好きな香りで過ごせるのは本当に素晴らしいことです。
「入浴」+「ボーっとする時間を設ける」なんて最高の組み合わせだと思います。自然音などを聞き流せると尚良しです。
日記帳・スマホのメモアプリ
記録することが目的ではありません。あとから振り返る必要もありません。
大切なのは感情や自分の考えを外に吐き出すこと。
HSPは聞き手側に回って色々な情報を浴びせられますが、自身が考えていることをうまく相手に返すことができないことが多いです。気を遣いすぎて…。
そんな状態で自身の中に色々な感情が蓄積されていくのは避けたい状態です。
物事を深く考え込んでしまう傾向にあるHSPにとって過度な情報はエネルギー消耗の原因にしかなりません。
そんなときに日記帳やスマホのメモアプリなどに、自分の感じたことを書きなぐるだけで、外に出て忘れてしまうことができるのです。
音楽サブスク
気分を上げたい!落ち着いた気持ちになりたい。そんな時に役立つのが音楽です。
個人的には心を落ち着かせるための役割で使用しています。好きな曲、落ち着いた曲を聴くのもおすすめですが、ぜひ試してもらいたいのが自然音です。
森の中の音、海岸の波打つ音などの自然音は心を落ち着かせるためにはこの上ない要素です。
お風呂に入りながら、少し暗めの部屋で本を読みながら、色んなシチュエーションで役立つのでおすすめです。
もし、外出する元気があるのであれば、本当の自然音を体験しに出かけてみるのもいいかもしれませんね。
習慣化促進のアプリ
HSPは自己肯定感が低い傾向にあり、自分のことを低く評価しがちです。
周囲は全然そんなことを思ってはいないものの、自身に厳しすぎるため自分のやったことに対して自信を持てません。
そんな自己肯定感・自己有用感を上げるために、小さなことでいいので自分・周囲にとって役に立つことを継続してみるのがおすすめです。
この時に使いたいのが、やった回数をカウントできる習慣化促進系のアプリです。
「続けていることができている自分」を視覚的に判断でき、自身が頑張れていること、それによって自身・周囲の役に立っていることを認識できるようになります。
使わなくても習慣化したと思ったら、また新しいことにチャレンジしてみるのがおすすめです。
まとめ
「疲れやすいのは私のせい?」と感じていた日々も、HSPという特性を知ることで少しずつ見方が変わりました。
無理なく、自然体で過ごせる毎日は、自分を大切にする選択の積み重ねから始まります。
あなたが“今日からできそうなこと”は、どんなことですか?気づきや工夫があれば、ぜひシェアして一緒に整えるヒントにしていきましょう。